新年度スタート!経営方針発表会/日本経営のケイエイ

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業種
企業経営
- 種別 レポート

「株式会社 日本経営」での取り組みや私が考えていることなどを発信しています。
皆様の経営のヒントや新たなアイデアなどにつながれば幸いです。
新年度スタート!経営方針発表会
株式会社 日本経営 / 代表取締役社長 橋本竜也
業績目標ではなく経営方針を共有する
日本経営グループ各社は、事業年度を10月~9月としているため、今年度も10月に方針発表会を行いました。おかげさまで2025年度も堅調に成長することができました。方針発表会は、2026年度もさらなる顧客貢献、企業成長を目指して取り組むスタートの日となります。
10月1日にグループ全体の方針発表会を行い、10月2日に株式会社日本経営の方針発表会を実施。新年度早々2日も営業日を費やして方針発表会を行うのは相当なものですが、それくらい当社では方針の共有を重視しています。
その目的は、会社や各部門が何に重点を置いて取り組むのかを全従業員が共有すること。それによって、各従業員が主体的に行動するとともに、互いに連携してミッション・ビジョンの実現に取り組むことです。主体性の発揮と連携の向上が大きな目的です。
また、もう一つ方針の共有を大切にしている理由として、各部門、各従業員が裁量権を持って積極的かつ主体的に行動してもらいたいということがあります。当社では各従業員に相応の大きさの裁量を認めていますが、これは会社の方針を共有し、腹落ちさせているということが前提です。方針の範囲内では自由が大きく認められるということです。方針を無視して行動していてはただの自分勝手であり、そのような裁量権は認められません。もしそのような人が多くなるようであれば、裁量の幅を狭めなければなりません。そのようなことはしたくありません。だから、これでもかというくらい方針を説明し、それを理解してもらう。対話もしてお互いに理解を深めていく。方針を共有しているという信頼のもとに、裁量権を付与しているわけです。
方針発表会では、前年度の実績と新年度の目標売上、目標利益を共有します。しかし、それは私からすれば最重要事項ではありません。極端に言えば、会社の売上や利益目標はまったく覚えていなくても、方針をきちんと理解してくれていればいいと思います。方針に沿って各部門、各自が真摯に、主体的に取り組んでくれれば、自ずと業績目標は達成できるはずですし、方針とはそのように作り上げなければならないと思います。全従業員が力を合わせる方向性を示すものですから、方針の共有は業績目標よりもはるかに重要だと考えて、その共有に力を入れています。
2026年度の「株式会社 日本経営」の経営方針
当社では3年間の中期経営計画に沿って経営しています。2026年度は現在の中計の2期目となります。おおむね中計の進捗は順調であるので、2026年度は中計の推進をより確かなものにしていくことを目的として、重点経営方針を以下の6点としました。
① Mission・Vision・Cultureの錬磨 →組織競争力向上
② 管理職のサポート機能の創設 →事業推進力向上
③ プロジェクトマネジメントとバックオフィス機能向上 →コンサルの質向上
④ 開発・マーケティング投資拡大 →事業展開力向上
⑤ make the difference(違いの明確化) →事業展開力向上
⑥ 日本経営のファン作り →事業展開力向上
これだけだと読者の方は内容がよくわからないと思いますが、従業員にはかなり力を入れて説明しています。もし、ご興味のある方がいらっしゃれば、当社の従業員に質問していただければと思います。方針の浸透度がどれくらいのものか確認していただけるかもしれません。
「株式会社 日本経営」の方針発表会のプログラム
当社の方針発表会はほぼ1日がかりで実施しています。それでもまだ時間が足りないという声もありますが…。
まず、全社方針を私が発表します。今年度は30分でした。その後、各事業部の方針発表と重点プロジェクトの方針発表が6~7分ずつ続きます。これで午前中をほぼ使い切ります。休憩を挟んで午後からは勉強会を実施しています。全員が集まる機会はかなり貴重なので、私が社長になってから、後半は勉強会の時間にしてもらいました。今回の講師は、埼玉大学の宇田川元一教授。「企業変革のジレンマ」「他者と働く」など、著名な著書のある経営戦略の教授です。誰もさぼらず、自分の仕事を一生懸命しているのに連携が悪くなっていくメカニズムとその解決策などを講義していただき、非常に素晴らしい学びの時間となりました。学んだだけでは身につかないので、講義終了後はグループに分かれて講義の学びのシェアをする時間としています。この時間は対面ならではのよさを実感します。
最後に、全員が閲覧可能なスプレッドシートに方針発表会の感想を記入することで出席確認として、終了です。なんでもシェアすることを重視しています。
当社の方針発表会の一例ですが、ご参考になるようでしたら幸いです。
立候補制の管理職登用
ところで、当社ではグループ方針発表会で昇格の辞令交付も行っていますが、新年度から株式会社日本経営では、課長代理以上の管理職を立候補制としました。私をはじめこれまでの従業員は、会社から昇格の任命を受けてきたわけですが、これからの日本経営は自ら役割を担った人たちの組織でありたい、そうすることで組織を次のステージに引き上げたいという目的で、このような仕組みを導入しました。
とはいえ、管理職罰ゲームという言葉がはやるなど、管理職になることを嫌う人が多い時代です。内心では、「誰も立候補してくれなかったらどうしよう」と大変心配していましたが、結果的に多くの人が手を挙げてくれ、約20名が管理職として昇格してくれました。これは、課長から次長などの管理職内昇格も含みます。せっかく手を挙げてくれたのに昇格が認められないという人がいるのも現実ですが、経営者としては手を挙げてくれた人たちに対する敬意の気持ちがあふれ、本当に涙が出そうでした。
新年度のスタートとして非常にありがたいことです。管理職立候補制がどこでも通用する問題のない仕組みだとは考えていませんが、一つの事例としてご参考にしていただければ幸いです。詳しい内容は、別の機会にご紹介したいと思います。
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このレポートの執筆者

橋本竜也
株式会社 日本経営 代表取締役社長
組織人事コンサルタント
1999年入社以来、人事コンサルティング部門にて、クライアントの人事制度改革に携わるほか、不採算企業の経営再建にも従事。コンサルティング実績は上場企業から中堅・中小企業まで150社を超える。「良い経営は人を幸せにする、悪い経営は人を不幸にする」を基本スタンスに、人事コンサルティングや経営顧問を行っている。
<著書>
「チームパフォーマンスの科学」幻冬舎2021年12月
「中小企業の未来戦略を具現化する!組織マネジメント実践論」プレジデント社2022年10月
本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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